tokyokidの書評・論評・日記

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日記181021・ゆとりーとライン

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日記181021・ゆとりーとライン

 名古屋に「ゆとりーとライン」と称する軌道型定期路線バスがある。写真でおわかりのとおり、街の道路上にバス専用軌道を作って、その上に路線バスを走らせる。鉄道よりも簡便でかつ車体も軽いから、建設費もメンテンナンス費も鉄道にくらべれば格安だろう。車輪もバスのことでゴムだから騒音もはっきりと小さい。しかも専用軌道の下の市中街路の混雑を促進しない。ただしこのバスは市中の混み合うところを抜けると下の一般街路に降りてそのまま先の目的地に向かって走る。軌道上では昔のトロリーバスよろしく電気で走るが、下に降りてからは蓄電池で走るようである。軌道上を走る間は高いところから眺めもよい。でも軌道建設費がかかるだけバス料金は高い。わたしは勝手にこのバスを「空中バス」と呼んでいる。こちらのほうがはるかにわかりやすい。

 だいたい名古屋人は造語の名人で、以前新しく後からできた中部国際空港の愛称を新しい造語の「セントレア空港」にしようとしたことがある。あまつさえその付近の自治体の名前も「セントレア市」にしようとしたらしい。つまり「セント」は英語のセントラルつまり中部の略称で、「レア」はエアポート、つまり中部と空港の英語の単語を一つにまとめて短くした、とのことだったらしい。だが独立して「レア」といえば英語で「なま、または稀なもの」を指すからもとの「空港」という意味にはならない。さすがにあれやこれやがあってこの造語は公式には使われないで済んだ。もしこれが実現していたら「いったい何語だ」と好奇の目にさらされていたことだろう。

 同様に「ゆとりーとライン」もこの手の発送から得た造語のようだ。すなわち日本語の「ゆとり」と英語の「ストリート」、それに路線を意味する「ライン」をくっつけた造語だろうが、ゆとりのあるストリートを走るラインはバスに限ったことではあるまいし、ちとおかしい。それでもこの線は目下沿線に住む人も増えて増発に次ぐ増発、それで盛業中なのである。

もうひとつ、名古屋には「リニモ」と称する珍しいリニアモーターカーが藤が丘・八草間の約9キロを商業運転している。文尾最後の写真は、HSST方式と呼ばれるリニア鉄道路線だ。路線は短いがそれでも黒字らしい。名古屋は人も知る産業都市だから、技術的基盤は充分に持っている。それに持前の「やってやろう精神」があるから、この街には全国でも珍しいふたつの異なる新式の商業路線が走っていて、相当の成果を挙げているのである。ついでながらこのHSST方式というのは、かつて倒産前(いまは稲盛和夫氏によって再建されたが)の日本航空が、成田と羽田両空港を高速鉄道で結ぼうとして開発したリニア鉄道だ。寡聞にして現在JR東海が推進している品川・名古屋間のリニア新幹線以前に既に日本でリニア方式による鉄道が商業運転したとは知らなかった。□

(写真はいずれもネットから借用。最後の一枚は愛知高速交通リニアモーターカー

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