tokyokidの書評・論評・日記

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日記170801・はっさく

tokyokid2017-08-01

日記170801・はっさく
 これも忘れられた日本語の話題といえるのかも知れない。「はっさく」とは「八月朔日」のことである。「朔日」とは「一日・ついたち」のことである。徳川家康豊臣秀吉に封じられて、旧暦の天正18年8月1日に江戸城に入城した日とされる。
 もうひとつの「はっさく」は果物の「はっさく」のことである。「はっさく」は日本原産の柑橘類の一種である。江戸時代に原木が発見されたらしい。実が大きく、水分を多く含むが苦味があるのが特徴らしい。はっさくの苦味は熱を加えると苦味が増すそうだから、加工には向かない。それで主として生食用である。
 この果物に「はっさく」の名前がついたのは、8月1日の「はっさく」頃に食べごろを迎えるからだという説があるが、いまはむしろ冬場に近づいてから収穫される。だからどうしてこの果物に「はっさく」の名がついたのか、よくわからない。理由を知っている方が居られたら、ぜひお教え願いたい。
 「朔日」というのはずっと日本語で月の一日を指す言葉であった。明治以降新暦が使用されるようになって、旧暦時代のさまざまな期日を表す言葉が、日にちがずれたことによって使われなくなって久しい。朔日もその一つだろう。滅びゆくものは美しい。滅びゆく日本語も美しい。忘れたくないものだ。□
(写真はネットから借用)