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日記170511・銀座カフェーパウリスタ

tokyokid2017-05-11

日記170511・銀座カフェーパウリスタ
 銀座九丁目にある「銀座カフェーパウリスタ」は創業明治44年のコーヒー専門店の老舗である。老舗の多い銀座商店街では珍しくもない古さなのかも知れない。
 同社によると、この店で面白いのはその創業の古さだけではなく、創業当時からブラジルコーヒーを扱っていて「日本にコーヒーを広めた店」そして「銀ブラの語源になった店」であることだ。いやもうご立派。もともと「カフェ」は大正時代に使われていた用語で、戦後は「喫茶店」とか「純喫茶」という名称が一般的だった。平成のいまになっての「カフェ」の名称リバイバルは、明治以来の伝統を誇るこの店にとってもさぞ嬉しい出来事だろう。
 この店は最近になってコロンビアコーヒーやインドコーヒーも扱い出したようだが、もともとはブラジルコーヒー一本槍だったらしい。私のような昔者にはこれが嬉しいので、昭和ヒトケタに生まれて以後親しんだその味をいまでもそのまま味わえるのが嬉しい。世の中「新製品」ばかりが能ではなかろう。
パウリスタ」とはブラジルのサンパウロに生れ育った者、という意味だろうから、この店名はさすがこの店の体を表しているといえる。店名を大事にして、変らずに昔のブラジルコーヒーを売り続けてほしい。それにしてもこれだけの歴史を持つ老舗が、かの有名な「銀座百店会」に加盟していないのはなぜだろうか。多分自分の敷地で営業していないのがその理由のひとつだろうが、まことに惜しい。ここの商店会の機関誌であるかの有名な「銀座百点」にその名が出ないのが惜しいのである。もうひとつ、このブログの読者であるあなたならば、グーグルで検索することはお茶の子だろう。この表題をそのまま「銀座カフェーパウリスタ」と入れ検索してみてほしい。明治期の歴史のヒトコマが、同社の創業時の富国強兵や移民政策や慌しい巷の喧騒の雰囲気を伝えながらも、ありのままを忠実に描写している興味ある記述に出会うことだろうから。□
(写真は同社の「復刻赤黒コーヒー保存缶」のフタと本体などを同社のホームページから借用したり自作したりした)