日記150701・ハマスタはこちら

　横浜ベイスターズの試合を見ようと、関内駅にやってきた。駅には「ハマスタはこちら」の案内板がみえる。日本人はよくよく略語を使うのが好きな民族だ。「ハマスタ」は「横浜スタジアム」の略だろう。案内板はそれでもいいとして、記事や文章のなかではきちんとフルネームを使ってほしい。でないと、品格が落ちる。文章のみならず、そのものが安っぽく見えてしまう。
　この日は球場の周りどこもかしこも満員で、とうとうチケットが買えず、入場できなかった。でも昔この地で米軍が使っていたころの「ゲーリック・スタジアム」のことを思い出した。敷地がせまいので、この球場もせまい。それはいまでも変らないように見えた。あの頃はよく野毛の野球場で、米軍兵士を相手に野球をやっていたなあ。60年も昔の話である。
　横浜は当時の江戸幕府が、外国からの圧力をかわそうとして、わざと宿場の保土ヶ谷や街並みがすでに確立していた鶴見から離れたところとして、不便を承知で開港の場に選んだところだ。150年経ってみると、その後の世界の変遷がよくわかる。鉄道の東海道線だけを取って見ても、東京方面から順に、鶴見、横浜、保土ヶ谷、戸塚の街としての差は圧倒的だ。
　とりわけ関内は名前からしても港に近く、江戸時代から外人居留地として栄えたところだ。敗戦後進駐してきた米軍が、ここを接収して往年のヤンキースの大打者・ルウ・ゲーリックの名を冠した米軍専用の球場にしたのもむべなるかな、である。