tokyokidの書評・論評・日記

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書評・都内交通案内地図

tokyokid2008-06-24

書評・都内交通案内地図(地図製作・株式会社昭文社)財団法人・東京タクシー近代化センター・発行

【あらすじ】
 本書評の底本としたのは、もうふた昔前の一九八九年版の地図帳である。評者はこのあと数年を経ずして、現在居住地のアメリカにきてしまったので、このあとの版は購入していない。この地図の発行元が「東京タクシー近代化センター」という名前でもわかるとおり、これはもともと「タクシー業」用の地図であるが、広く市販しているので、私どもタクシー業界に関係ない者でも、簡単に本屋で手に入れることができる。
【読みどころ】
 くるまを運転するにせよ、電車を使って目的地に行くにせよ、この地図はとても使い勝手がいい。「都内」と銘打ってあるにもかかわらず、東京のタクシーの事業区域内はもちろん、区域外もある程度の周辺地域の地図も入っているので、これも助かる。さらに後半の「交通規制図」は一方通行など交通規制の情報が細かく記載されている全85図葉があり、そのほかに「ターミナル詳細図」や「近県道路図」、それに道路、町名、橋、川、駅、主要機関と施設などのいわば索引が充実していて、目的地を探すのにこれほど探しやすく編集されている地図はあまり目にしない。
【ひとこと】
 さらに親切なことに、この地図帳は「事業区域」としてまず23区を区分地図で表し、これはほかの区分地図とあまり変わるところはないが、おおいに変わるのは、そのあと収録してある85枚の「交通規制図」なのである。これは縮尺を1万2千分の1に統一して、色版もフルに使って、交通規制の記載を読みやすく工夫してある。さりとて駅名や施設名などにも手を抜かないから、くるまを運転する人はもちろんのこと、電車など公共交通機関を使って徒歩で目的地に向かう人にとっても、現地の状況をたやすく把握できるのが一大特長である。
【それはさておき】
 本稿を脱稿するにあたり、発行元の「東京タクシー近代化センター」に電話で確かめてみたが、現在も毎年初めにその年の版を発行しているとのことであった。一般の書店では在庫していない場合が多いが、注文すれば版元から取り寄せてもらえるはずである。評者の夢は、こんど日本に帰国したときに、この地図を片手に、東京都内を好きなだけ歩き回ってみたい、ということである。□